きらきら
ディープスペースナインがドミニオンから奪還されて間もなく
プロムナードに存在する全ての店は以前の様に再開された。
それは彼のブティックも例外ではない事で。
彼は作業中の手を止めた。
壁を隔てた向こうに漆黒に広がる宇宙。
もうこの宇宙に存在するどの星の何処にも彼女が居ない。
そう思うだけで息苦しさが込みあがって来る。
治まってきていた筈の発作が彼の身体を支配する。
独りでいると思い知らされる気がした。
彼がどれだけ彼女を愛しく思っていたのかを。
彼女と過ごした時間は幸福感で満たされ、目も眩みそうな程光り輝いていた。
それは今も鮮やかに色濃く彼の中に残っている。
彼の人生のうちのほんの僅かな間だったとしても、それは変わらない事実。
「 愛してる 」
彼は小さく小さく呟いた。
其処には彼独りしかいないのに。
それは、彼女の生きている間には決して伝えられなかった言葉。
口にしたら壊れてしまいそうで、伝える事が出来なくて。
けれども本当は何時だって。
今更口にした所で、もう2度と、彼女の元に届く事は無いというのに。
それでも想いは果てしなく、彼の心の中で永遠に。
□ あとがき □
輝いているんでしょう。それこそ生き続けている限り永久に、きらきらと。
私にしてはめずらしくシリアスちっくです。彼(ガラック)→彼女(ジヤル)の追憶。ついでにお題も消化。
超短くても愛だけはたっぷり詰っています。ええ。いっぱいいっぱいです。(意味違)
所詮永遠なんて人が考えた曖昧な概念でしかないのにね。
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