閉ざすも開くも、どうか其の手で
困ったみたいに笑って、でも全部許してくれる滝夜叉丸が好きだった。
高飛車で、高慢ちきで、それが伴うだけの実力があって。優しくて、綺麗。
それは恋の欲目を含んだものかもしれないけれど、それが何だというのだろう。
打算も計算もなしに、共にいて笑い会えるひと。
(好き)
手を繋いで、繋がれて。
こうしていつまで歩いていけるだろう。君と。あとどれだけの間、この手と共にあれるだろう。
いつか、自分はこの手を放すときがくるのだろう。
離れなければならないときが、必ず、必ずやってくるのだろう。
(それでも)
(今は)
あたたかい。
今はあたたかい。
世界も、手も、君も、この目に映るなにもかも。
(こうして)
(手を繋いでいられたなら、)
きっといつまでも君を想うよ。
泣いて泣いて。苦しくて。それでも僕は君を想う。
(君が、好き)
自分の手を包み込んだまま黙り込んでしまった綾部に、滝夜叉丸が眉を寄せた。
「変な奴だな」
「いつものことでしょ」
「自分で言うな」
「そう?」
綾部の様子に呆れたような溜息を吐きながら、それでも滝夜叉丸が眦を優しく和らげたのを、綾部は見逃さなかった。
このあたたかさを胸に、いつまでも生きていける気がした。
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アニメのはっちゃけた綾部が好き。
素直になりきれない滝夜叉丸が好き。
つまり綾滝が大好きだということで。
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