しあわせのかたち











 しあわせのかたちなんてそれこそよのなかにはたくさんあるんだから。






 彼、ガラゾンはエルダールの結婚が許される年齢よりすこぅし若い。
 けれど彼には既に愛しいひとがいて、そのひととの間の子供もつい先程生まれた。

 彼はひとの目はあまり気にしない。
 …というより気にならない彼なのだけれども。


 愛し合っていたら子供くらい出来る。
 別に恥ずかしいことなんて何一つやっていない。
 そう笑顔で言ってのけるのだ。












「ケレボルン…、でいいの?」

 産後間もない彼女は少し疲れた様子を見せながらも、しっかりと僕の目を見る。
 やっぱり少し簡単すぎないかしら、なんて少女のように彼女は首を傾げた。

「名前は単純であるからこそ意味が宿るんだよ?」

「あなたがそう言うのだったら、そうなんでしょうね」

 そうして、緩く波打つ銀髪の彼女は微笑んだ。
 そんな彼女が愛しくて仕方なくて、僕はゆっくりと顔を近づけて彼女の唇にキスをひとつ。

「まぁ。あなたったら。銀樹のぼうやに見られてしまったじゃない」

 責めるような台詞でも声音は優しいものだったから、彼女は本気で怒ってはいない。
 彼女はくすくすと楽しそうに笑いながら、腕の中の子供をあやしはじめた。






「ケレボルン」


 ふわふわな頬。
 ちっちゃな手。
 笑う声は勿論、泣き声すら全部愛しい。

 隣りで大好きなひとが笑ってくれて。
 こどもだって無事に生まれてきてくれた。

 ………あぁ。なんて。


(愛しい)


 何度ありがとうを言っても足りないだろう、この気持ちが二人にも伝わればいいのに。



「…どうか、君たちに」



 僕は未来も見通せないし、何ができるわけでないけれど。

 ただ祈ることしかできないなら祈るから。
 ただ願うことしかできないなら願うから。

 だからどうか、どうか。どうか。


 想っても、想ってもまだ足りないほど愛している君たちの上に。

















「しあわせばかり降ってきますように」






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朝も昼も夜も。の偽造設定そのいち。

ケレボルンの年齢。
中つ国生まれってフェアノールより年上じゃ…(汗)
ほぼ同時期にオロフェアも生まれているハズ。
ケレ様は愛されて愛されて育ったのだと信じています。














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