Confesson すれ違う彼の心×僕の心



「僕が面倒見るよ」
僕がメリーにそう告白して抱きしめた時、彼も抱きしめ返してくれたんだ・・・。
僕にとってそれは、告白の答えだと思ったんだ!
だけど、メリーはあれ以来何も言ってくれない・・・。
もしかして僕の勘違いだったのかな?
僕がメリーの事で悩んでいる間に色々な事があったんだ。

まず、フロドとサムが滅びの山に指輪を捨てて無事帰ってきた事。次にアラゴルン
が即位して、アルウェン姫が彼のもとに来た事。そして僕、メリーフロド、サムの四人
はホビット庄に帰ってきた事!
僕達は、久々に縁竜館で酒盛りをした。楽しかったんだ、とっても・・・。まるで今までの
旅が嘘だったみたいに。

でも違ったんだ。
それはビルボが灰色港からエルフ達と旅立つ日に分かったんだ。
僕達4人とガンダルフは、ビルボを見送るために灰色港まで一緒に行った。
その時に、フロドとガンダルフも「一緒に旅立つ」って言ったんだ。
僕とメリーはとても驚いたよ!そして悲しかった。もちろんサムも悲しんでたよ。
見てるこっちが苦しくなるくらいに・・・。あんなにフロドに、献身的に尽くして、忠誠を誓
ってたからね。僕たちは、止めたけどフロドの意志は固かった・・・。
ビルボ、フロドそしてガンダルフが、旅で旅立って行くのを僕たちは見ていた。

涙が溢れて視界が歪む―――――

それからのサムは、見ちゃいられなかった。僕とメリ−は、必死になってサムを元気付
けようと頑張った。
そう、頑張ってしまったから、僕は後からこのことで苦しむ事となった。
ある日僕は、サムの家に遊びに行った。玄関の戸の所まで来ると話し声が聞こえた。
(サムともう一人・・・この声は、メリーだ!でもなんで?)
気になった僕は、聞き耳を立ててみると、
「メリーお願いだ。頼むよ」
「だめだよ、サム。僕じゃ・・・」
こんな会話を聞いた僕は頭に血が上ってしまってドアを凄い勢いで開けた。
「やぁ、サム。元気?メリーと二人っきりで何してるんだい?」
僕は口元をヒクヒクさせながら、凄い形相で二人を睨んだ。
二人は怯え気味でガタガタ震えていた。しばらくして、
「や、やあ、ピピン。凄い顔してるけど、大丈夫か?」
メリーは怯えから立ち直って聞き返してきた。僕はメリーに
「質問に答えてよ!サムと何を話していたんだ」
メリーは、サムの方を見てお互いに顔を赤らめ、慌てて、
「な、なんでもないよ、ピピン。なぁ、サム」
サムも慌てて、
「そ、そうだよ、何でもないよ」
(怪しい・・・とっても怪しい)

この日は、すぐに諦めたけど、僕の不安の目は消えなかった。むしろ日に日に大きく
なっていった。

次の日も、その次の日も、その次の次の日もすーっと、メリーとサムの秘密は続いた。
二人だけの時の話を聞いても、話してくれない。はぐらかしてばっかりだ!!
(もしかして、二人はもう・・・)
そんな厭な考えが、頭の中に巡り、嫌気が差し始めた頃―――――
(ったく、毎日毎日何なんだよ!サムもサムだけどメリーもメリーだよ!僕の方が先
にメリーに告白したのに、すぐ乗換えるなんて!)
僕は、メリーに僕に対する気持ちを聞こうと彼の家に行く途中で、メリーとサムを見つ
けた。仲良く語り合っているところで、いつもなら何とも思わなかったけど、とにかく僕
の機嫌が頗る悪さで、その原因が目の前にいてむかついたんだ!
その所為で僕は、二人の間に割って入った。
「ちょっとゴメンよ、サム。メリー借りてくよ」
僕はメリーの手をグイグイ引張り人気のない所まで連れて行った。

ドン
メリーを壁に押し付け、僕は、彼を問い詰めた。
「何でサムとばっかりいるんだ?僕が君に告白したのは覚えているだろう?もしかして
忘れたのかい。忘れたのなら何度でも言ってやる!僕は、君の事が好きだ。愛して
る!いつも君と一緒に居たい・・・君を独占していたい。なのに君は・・・どうして・・・」
僕は、心の中に溜めていた気持ちを吐き出した。そんな僕を見ていたメリーは、僕に
近づいてきて、
「ピピン、僕は・・・」
ふわっと、唇にやさしい感触を感じた。一瞬何が起きたのか理解できなかったけど、
それは、メリーの柔らかい唇だった。
微かに触れたやさしいキス―――――

「ピピン、君が知りたい事は今晩分かるから。それまで待っていてくれないか」
メリーの真剣な表情に負けて、僕はウンと返事をした。
「わかったよ、メリー」
そう言って僕は、彼を抱きしめた。

その日の夜―――――
ローズの家の前に、花束を抱えたサムがいた。その様子を草の茂みから僕とメリーで
覗いていた。
(何だか、結婚の申し込みに来たみたいだなぁ)
僕がそんな事を考えていると、メリーは小さな声でこういった。
「ここ最近のサムとの話しは、このことだったんだ。”どうやったらローズに巧くプロポ
ーズできるか”ってね。ピピンには心配かけたね。」
メリーは、ゴメンと言って僕の頬にキスをした。
「ううん、僕こそゴメン・・・そんな事だったなんて知らなくて、メリーに迷惑かけたね」
僕は、自分の思い違いに恥ずかしくなった。
「本当は不安だったんだ。ピピンがあのとき告白してくれた言葉、“僕の思い違いだっ
たらどうしよう”ってね、僕は君より年上だし、良い所なんて一つもないし・・・」
メリーは、自分で言った言葉に落ち込んだのか、しょげていた。
そんな彼を見ていて僕はクスと笑った。
「これじゃあ、どっちが年上だかわかんないよ」
僕は、しょげたままのメリーを抱きしめて、キスをした。メリーが僕にしてくれたやさし
いキスじゃなくて、とても濃厚な長いキスを・・・
そして一晩中抱きしめ合って、星のようなキスを降らせた。


こうして、やっとメリーと僕の二つの心は、今交差した―――――



これで僕のお話はおしまい





□ 感想 □

友人・蝸牛に無理矢理書かせて奪ったが自発的に書いてくれたピピメリです!!私の宝物v
彼女は映画onlyの人で、「僕が面倒見るから」はプロポーズの言葉だなんだ!と盛り上がった勢いで書いて頂きましたv
星の如く振る無数のキス・・・・!その後の行為とかも思い浮かべてしまったのは、私だけではないはず(笑)
可愛らしいお話で、読んでて凄くほんわかと幸せになれましたv

素敵なお話を有難う御座いました♪





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